事例紹介

お客様の様々なご要望にお応えします

課題解決の事例紹介

当社のバーチカル炉は、多様な運用条件や廃棄物処理ニーズに対応してきました。間欠運転や廃棄物発電、既設炉の稼働中更新工事など、さまざまな現場での実績があります。さらに、災害廃棄物の処理や地震災害後の迅速な稼働再開など、地域社会への貢献も重視しています。ここでは、具体的な課題解決の事例をいくつかご紹介します。

産業廃棄物

西紋別地区広域ごみ処理センター

迅速な立上げによる間欠運転

焼却炉は立上げ・立下げに時間がかかり、その間に多くの燃料を消費してしまいます。バーチカル炉ならではの熱を逃がさない構造により、迅速な立上げ・立下げを実現、運転コストを低減します。

当社はこれまで、間欠運転を行うごみ処理施設にもバーチカル炉を納入してきました。間欠運転では、焼却炉の立上げ・立下げ(停止)に時間がかかり燃料費が嵩むという課題がありますが、バーチカル炉なら立上げ・立下げの時間を大幅に短縮できます。

この迅速な稼働を可能にしているのが、バーチカル炉ならではの熱を逃がさない構造です。立下げ後も炉内に保持された熱により、次の立上げ後、補助燃料が不要となる安定燃焼へと到達する時間が短くなります。

結果として、スピーディーな立上げ・立下げにより、バーナー燃料の使用量を従来型ストーカ式焼却炉と比べて、1/10以下に抑えることが可能です。

さらに、急激な温度変化を避けることで炉の劣化を防ぎ、長寿命化にも貢献します。

廃棄物焼却発電施設

高北清掃センター

小規模施設でも廃棄物発電

バーチカル炉は、廃棄物を処理するだけでなく、燃焼によって発生する熱をエネルギー資源として有効活用する「廃棄物発電」にも適しています。

小規模な焼却施設では、安定して効率的に発電することが難しいという課題があります。しかし、当社のバーチカル炉は燃焼温度や排ガス量の変動が少なく、ボイラへ安定した熱を供給できるため、効率的な蒸気回収と発電が可能です。

例えば、2023年に稼働した茨城県の高北清掃センター(写真)は、全国的に見て小規模な施設(80トン/日)ながら、最大出力 920 kWの本格的な発電設備を備えています。施設内で使用する電力はもちろん、余剰電力は電力会社に売電し、エネルギーを無駄なく活用しています。

また、愛媛県の株式会社松山バーク様では、産業廃棄物や医療廃棄物を含む様々な廃棄物から、1炉(120トン/日)で最大 2.7 MWの電力を生み出しています。燃焼が安定しているバーチカル炉だからこそ、大小さまざまな施設で効率的な発電を実現します。

下呂市新クリーンセンター

建物そのままで焼却炉を更新

焼却炉は20〜30年で更新が必要ですが、建屋は40〜60年使用可能です。従来は焼却炉更新の際に建屋ごと解体する必要があり、特に財政の厳しい自治体では大きな負担となっていました。

バーチカル炉は竪型でコンパクトな構造のため、既存建屋を解体せずに、流動床炉などの他形式炉から焼却炉だけを更新することが可能です。さらに、条件が整えば、施設の運転を継続しながら2炉のうち1炉ずつ更新する順次更新にも対応可能で、地域のインフラ機能を維持しながら施設をアップデートできます。

例えば、岐阜県の国定公園内にある下呂市クリーンセンター(写真)では、既設建屋の高さを維持したまま焼却設備を一新しました。工事中も既存施設の運転は継続、日々の処理を止めることなく、2炉を順番に更新した実績があります。

また、静岡県の伊東市環境美化センターでも、従来通りのごみ処理を継続しながら、リサイクル棟の新設や、焼却設備の順次更新・補修を行いました。

一般廃棄物焼却施設

輪島・穴水クリーンセンター

災害廃棄物処理と復興支援

災害廃棄物は、地震や津波によって発生した泥状堆積物を含む多様なごみが混ざり、燃えにくいという性質があります。そのため焼却には前処理やバーナーによる燃焼補助が必要な場合が多く、迅速な処理が課題となっていました。

効率的にごみを燃焼するバーチカル炉は、東日本大震災で甚大な被害を被った宮城県の南三陸町に納入したプラントにおいて、通常運転中にバーナーを使用せず、1年間で約90,000トンの災害廃棄物を安定して処理し、災害復興現場を支えました。

また、2024年の能登半島地震では、バーチカル炉の堅牢性と迅速な復旧対応により、発災からわずか3週間で、輪島・穴水クリーンセンター(写真)における本来の16時間稼働を24時間の連続運転体制に切り替えつつ、急増する災害ごみ処理に大きく貢献しました。

このように、バーチカル炉は震度7にも耐える堅牢な構造を持ち、有事でも地域のインフラを守り、災害廃棄物処理の安定性と迅速性を両立して、被災地の早期復興を支えます。

汚泥ホッパ

助燃燃料ゼロの安定燃焼

処理が難しい高含水汚泥を一般廃棄物と安定燃焼させる「汚泥混焼」に取り組んでいます。バーチカル炉は、独自の炉形状と燃焼制御で安定処理のカギとなる炉内温度の維持を実現。低熱量・高水分の汚泥を投入しても温度変動が少なく、助燃燃料は不要です。

当社が納入した一般廃棄物処理施設では、一般廃棄物だけでなく、下水汚泥も一括して処理されています。焼却設備の定格汚泥混焼率は20%ですが、試運転時には最大混焼率24%の混焼運転を達成。一般廃棄物の専焼時と比較しても、燃焼ガス温度や有害ガス濃度、焼却灰の熱しゃく減量に大きな変化は見られず、水分の多い廃棄物でも安定して処理できることを確認しています。

また、これまで別の施設で化石燃料を使って個別に焼却処理していたし尿汚泥の混焼も行われています。従来は別々だった処理を一つの施設に集約し、ごみの持つ熱エネルギーだけで混焼することで、化石燃料の使用量と、それに伴う二酸化炭素の排出量を削減しました。

技術論文

当社が2020年度以降、関連学会等に発表した論文の一覧です。「+」をクリック/タップすると論文タイトルをご覧いただけます。

当社では国内の大学・研究機関とも連携し、上で紹介した燃焼技術の検証や、新しい排ガス処理方法、発電システム等の研究・開発を行っているほか、実際の施設での運転報告なども論文として発表しております。

これら発表論文をまとめた冊子を用意しております。

上でご紹介した事例について詳しく報告したものもありますので、当社技術についてより詳しく知りたいという方は、お問合せフォームよりご連絡いただければ冊子を無料でお送りいたします。

  • 竪型ストーカ式焼却炉の10年間の維持管理実績

    竪型ストーカ式焼却炉における間欠運転の実績

    プラスチックごみの削減を想定した清掃工場の最適な発電計画

    竪型炉ボイラにおけるシミュレータ燃焼部の演算装置の開発

  • 高性能多孔質薬剤の開発

    竪型ストーカ式焼却炉における廃棄物滞留時間の推定

    竪型ストーカ式焼却炉の燃焼機構調査

  • 医療廃棄物処理施設の運転状況

    竪型ストーカ式焼却炉の10年間の維持管理実績

    最適なごみ発電方式の検討

  • ごみ焼却排ガスからの水回収システム

  • 竪型ストーカ炉ボイラシミュレータによる自動制御システム

  • 竪型ストーカ式焼却炉における廃棄物の炉内滞留時間の検証

    竪型ストーカ式焼却炉の間欠運転における立上げ・立下げ

    ごみ焼却排ガス処理における焼却灰の消石灰代替可能性に関する研究

  • 竪型ストーカ式焼却炉における廃棄物の炉内滞留時間の検証

    竪型ストーカ式焼却炉の間欠運転における立上げ・立下げ

    ごみ焼却排ガス処理における焼却灰の消石灰代替可能性に関する研究

  • 活性炭炭素繊維を用いた廃棄物焼却炉排ガスからの水銀除去

  • 活性炭素繊維(ACF)を用いたごみ焼却排ガスからの水銀除去

    竪型ストーカ式焼却炉の間欠運転における立上げ・立下げ

    竪型ストーカ式焼却炉整流装置による飛灰量抑制効果
    (粉体シミュレーションによる検討)第2報

    熱光起電力発電技術の廃棄物焼却炉への適用性調査(第2報)

    重曹の真空加熱による多孔質ソーダ灰の製造および酸性ガス除去性能の評価

    竪型ストーカ式焼却炉のブースト調節部を用いた先行制御系の検討

    水蒸気分離膜を用いたごみ焼却排ガスからの水回収システムの提案

    竪型ストーカ式焼却炉ボイラ熱回路のシミュレータ開発

  • 活性炭素繊維(ACF)を用いた水銀除去試験

    水蒸気透過膜を用いた新規な環境配慮型廃棄物処理システムの開発

    重曹の真空加熱による酸性ガス処理用の高性能多孔質薬剤の製造

  • 既存建屋を利用しての焼却施設更新工事

    下呂クリーンセンターにおける汚泥混焼実績

    竪型ストーカ式焼却炉燃焼室内の温度分布

    竪型ストーカ式焼却炉整流装置の飛灰量抑制効果(粉体シミュレーションによる検討)

    熱光起電力発電技術の廃棄物焼却炉への適用性調査

    小型竪型火格子式ストーカ炉の外乱ランダム変化時の検討